ネットスラングでもある『無敵の人』
その意味は自分の命さえも失っても構わないというひとたちが死刑相当の犯罪を行うことであり、自暴自棄の馬鹿と言えるものです。
本作はそんな『無敵の人』が実際に犯罪を起こす前に狩る人たちの物語です。
未来で犯罪を起こすと予測して逮捕する作品といえば、『マイノリティー・レポート』が思い浮かびますが、こちらは逮捕ではなく殺してしまうのが怖いところ。
しかも『無敵の人』はAIが予測するのが今時です。
話題をそそぐゾウ
他にはない独特の視点で展開される漫画が多いのですが、この漫画も着眼点が面白いよね
アンギットゥ
ストーリー
兄に暴行されていた主人公のいのりが、ニアという謎の少年に命を助けられるところから始まります。
いのりは『無敵の人』を狩る手伝いをすることになります。
2巻で早くも『無敵の人』を作った黒幕的な人物が現れて、その真の思惑が明かされたりと展開は早いです。
この疾走感はきづきあきら サトウナンキらしいですね。
キャラクター
登場人物達の闇は深い。
『無敵の人』もそうですが、その『無敵の人』を狩る主人公達もまともな人生を歩んでいません。
狩られる『無敵の人』はまだ犯罪をしているわけでもありません。
未来の犠牲者を救うという大義があっても殺すのだから、まともなはずがありません。
そんな彼らの動機をしっかりと書いているのが面白いねえ。
画力
普通かな。
アクションシーンが迫力あるというわけでもなく、かといって見づらいというわけでもありません。
作品的には必要十分なレベルなので、引っかかるということはありませんね。
世界観
近未来です。
ARが高校生でも普通に使われるほど、普及しています。
AIが犯罪を起こしていない人間を狩る指示を出すなど、怖い世界観でもありますね。
オリジナリティ
『無敵の人』を狩る人たちと『無敵の人』を判別して指示を出すAI。
本当にこういうのが出来そうなのが怖いですねえ。
実は既にこういうシステムが出来ていて、事前に犯罪者狩りをしていても驚きはしません。
総合評価
すらすらと読める面白さです。
こういうSF作品は大好きです!
3巻の予告でAIの暴走という言葉がありますし、どうなるのか楽しみです!
ハッピーエンドで終わるとは思えないけどね
いのりは親友を殺していますからね。穏やかな日常に戻ることは出来ません
このまま『無敵の人』を狩り続ける修羅の人生か。あるいは死という終わりか