バクマンの影響でしょうか、作家が主人公の作品が増えています。
どれもそれなりに面白いのですが、バクマンほどヒットしていないのは二番煎じ感があるからでしょうか。
ラノベのプロも作家が主人公のラノベ。
主人公はアニメ化したことで年収が二千五百万! しかし作家は不安定なので二千五百万円で喜んでいるわけにはいかないという話です。
ストーリー
ストーリーはバクマンを意識しているのかなと作者についてなにも知らなければ思うかも知れないが、作者について知っていればこれ作者の自伝じゃね? と思うかもしれません。
作者の望公太は幼なじみとアニメ化したら結婚するという約束をして、本当に結婚された方です。
まあそっくりそのまま実体験とは思いませんけどね。
ほどほどに起伏があり、ラストは気になる引きです。
二巻が発売されなければ、暴動を起こしたいくらいです。
二巻が無事に発売されてよかったです。
どうやら二巻で打ち切りのようで少々残念ですが、話は一区切りが付いたのでよしとしましょう。
ラノベの場合は中途半端なところで打ち切られる作品も少なくありませんからね。
キャラクター
捻くれた意識高い系の主人公と可愛らしいヒロイン。
この主人公の捻くれた主人公は、どう考えても作者である望公太です。
彼の作風は捻くれていますからね。自覚あったんだなあと。
他には後輩作家は美少女揃いです。
まあ良くも悪くもラノベですね。
文章
特に躓くこともなく、サクサクと読めます。
2011年にデビューして四十二冊も出されている作家さんなので、文章はとても読みやすいです。
イラスト
人気イラストレーターのしらびさんが担当しているので、イラストは悪くないです。
まあ個人的にはそれほど好きな絵ではないのですが、本文とイラストが大きくズレるという問題は発生していない(ラノベではよくあること)ので問題はありませんね。
オリジナリティ
ラノベがアニメ化すると、アニメが爆死しても年収が2500万円にもなるんだ! と驚きを隠せません。
インパクトはありますが、それ以外のオリジナリティは特にないかな。
作家の苦労も書かれていますが、他の作品にも似たような話はチラホラと出てきますからね。
島本和彦の漫画『燃えよペン』には色物漫画家が大勢登場(モデルがいるというか、なんとなく誰をモデルにしたかはわかりますが)して、良くも悪くも破天荒なストーリー構成でしたがあれくらいのことはして欲しかった。
まあ作家デビューして7年ですから経験が浅いのもあるかな。
こういう話はベテランが書くから面白いわけですからね。
まあ何年書けばベテランかというのは人それぞれだと思いますけどね。
総合評価
色々と批判的な意見を書きましたが、とても面白い作品です。
それゆえに二巻で打ち切りは寂しいですね。
二巻でも話は終わっていますが、三巻が出れば綺麗に完結できそうなのでぜひとも三巻目を出して欲しいですね。