前回で色々な方から作品をメールで受け取り、管理人が掲載するというスタイルを取っていると語りましたが、今回は管理人のお仕事について語りたいと思います。
敢えてお仕事という言葉を使ったのは、サイトの規模が大きくなるとお仕事と割り切らなければやっていけなくなるからです。
2chのスレでお仕事として割り切っているという書き込みを見たことがありますが、本当にその通りだと思います。
サイトの規模が大きくなるのに比例して、プレッシャーも大きくなります。
作業量も増えます。
これは仕事だからやっているんだと考えなければやっていけなかったわけです。
管理人は中立でなければいけないので、常連さんとはある程度の距離を取らなければいけないという考えもありました。
まあ振り返るとちょっと堅苦しく考えすぎていたし、肩入れしていた相手もいたんですけどね。
掲載の手順
1.メールを受け取る
↓
2.チェック
↓
3.HP作成ソフトでページを作成
↓
4.コピー&ペースト
↓
5.HP作成ソフトでインデックスページからリンクを張る
↓
6.HP作成ソフトでトップページに更新情報を載せる
となります。
1話を掲載するだけで最初は30分掛かりましたが、慣れてくると5分程度で出来ました。
この作業時間は慣れもありますが、使っていたHP作成ソフトの影響も大きかったです。
最初に使っていたHP作成ソフトはAdobe GoLive。使い勝手は微妙で、なにより重かったので作業に時間が掛かりました。
次に購入したのはMacromedia Dreamweaver。こちらは軽かったですし、なにより1万円ほどで購入できたのでお得でした。しかしadobeに会社が買収されて、次期バージョンの値段が3倍に!
殺意の波動に目覚めかけましたねw
windowsユーザーではホームページビルダーを使っていたそうですが、macには非対応だったので上記のソフトを使っていました。
途中からは更新情報はcgiを使い、簡略化しました。
いまならばメールで受け取ってblogエディタを使ってアップすれば、自動的にトップから更新情報と作品にリンクされるので3、5、6の手順は省けますね。
掲示板の対応
人が集まるサイトなので、一度炎上すると消化するのが大変——下手をすれば、サイトが閉鎖に追い込まれるのは昔から変わりません。
幾つものサイトが閉鎖するのを見ましたし、どういった経緯で炎上したのかも調べましたね。
下手な消化は逆に油を撒くことになるので気をつけなければいけないところ。
ある意味で投稿サイト管理人の一番の腕の見せ所といえるでしょう。
また最も精神的に疲労する部分でもあります。
サーバーの移転
僕は最初、.Macというサービスを使っていました。
単純にmacユーザーだからサイトのドメインにmacがつくのが嬉しかったのですが、このサービスは一定の負荷を越えると自動的にアクセスを遮断するという機能が備わっていました。
そこで別のレンタルサーバーのサービスに移ることにしました。
そのレンタルサーバーの名前は失念してしまいましたが、便宜上レンタルサーバーAと記しましょう。
レンタルサーバーAは日刊2000を越えた辺りで表示がもたつくようになりました。
レンタルサーバーAは容量がHPとメールを合わせて300MBと少なく、料金が年間3万円と結構な金額(特にお金のない大学生だったので余計にキツかったです)がしたので別なレンタルサーバーに移ることに決めました。
いまでは容量がHP+メールで300MBなのに年間3万円のレンタルサーバーはぼったくりもいいところですが、2000年の前半はレンタルサーバーの料金は高かったのです。
移転先はxrea。
年間2400円とまえのに比べて格段に安いのに表示が遅くなることもなく、容量も10GBくらいとかなりお得でしたね。
従業員四人という小規模で人件費を抑えて、低価格のサービスを実現していたらしいです。
ネギま!が放送されたあとで一時的に赤松健系サイトが全体的にアクセスアップしたことがあるのですが、雪国も一時期日刊16000になりました。
それだけのアクセスがあるのにxreaは問題なく耐えてくれたので、ほんといいサービスでしたね。
掲示板選び
最初は掲示板はレンタルしていたのですが、cgiの掲示板を設置しました。
ここははっきり言って僕の悪いところなのですが、良さそうなのが見つかるたびに変えていました。
凝り性な物でいいのがあると使いたくなる僕の悪い癖です。
常連の皆のはご迷惑をお掛けしたと反省しています。
チャット選び
チャットは開設当初からcgi boyというところのをレンタルしていました。
無料レンタルで大変使いやすかったのですが、残念ながらサービスが終了してしまいました。
無料のサービスが終了するのは今も昔も変わりませんね。
長い間続いていたソーシャルゲームがサービス終了するようなものです。
盗作事件の対応
掲示板の対応と同じく、投稿サイト管理人にとって頭を悩ませる問題のひとつです。
市販されている小説から丸々パクるのはわかりやすいです。
しかし僕のサイトは二次創作が主体。
ベースが同じなのでどうしても似てしまう部分があります。
特に同じジャンル(シリアスやギャグなど)だと序盤の展開がほとんど同じことは珍しくありません。
盗作した書き手が素直に認めずに、盗作だと訴えた側が盗作したのだと騒ぐ場合もあり、そうすると余計に問題がこじれます。
検証に時間が掛かりますし、本当に嫌になりましたよ。
問題を起こした常連を説得する
ある常連が持論を他の常連に押しつけるという問題を起こしました。
持論が絶対的に正しいと思って押しつけるのは創作系コミュニケーションだけではなく、他でも見られることです。
サイトの管理人としては問題を起こした常連を追い払わなければいけない。
しかし当時の僕は甘かったので、一生懸命説得しました。
結局、駄目でしたけどね。
メールの対応
何十通もメールが届くので、返信をします。
しかしメールを書くのは得意でなかったので、溜まっていきましたね。
最後のほうでは数ヶ月経ってから返信していましたよ。
皆さんにはご迷惑をおかけしました。申し訳なく思っています。
あとがき
ざっと覚えている限りを書きましたが、ほんと大変だったんだなと改めて思いますw
掲示板選びや説得のように自業自得な部分がありますが、それにしても普通にこなす仕事が多すぎる!
運営していたときは大学生だったので大学の勉強をしながら、バイトもして、運営もしていました。
要領がよければそつなくこなせたのでしょうが、僕はあまり出来がよくないので苦労しましたね。
あのときにwordpressを知り、完全に移行すれば随分と楽だったんですけどね。
まあメールで受け取り、掲載するのが主流だったので仕方ないです。
大手と呼ばれる投稿サイトがある日、閉鎖することがありましたが、これだけの作業を毎日こなしていれば匙を投げたくなる気持ちはよくわかります。
正直、手が回らなかったです。
ただ大変でしたが、楽しかったですよ。
何年も続けていたのは楽しかったからです。
マイナスなことを書きがちですが、次回はよかったことを書きたいと思います。
2次創作で盗作問題はなかなか難しいですね。というか元ネタからキャラや設定、ストーリーを自分好みに変える事が2次創作だと思っているので拡大解釈すれば全部盗作って言えちゃう気もしますね。
書くことが好きな人同士が集まってるとなかなか意見もぶつかるし難しいですね、、、
ただめちゃくちゃ面倒くさそうです笑
管理人さんが笑い話に出来てると嬉しいです!
二次小説というか同人活動がグレーですからね。拡大解釈すれば難癖はいくらでも付けられます。
まあ赤松先生みたく同人大歓迎の漫画家さんもいらっしゃいますがw
物作りをするのが趣味の人間というのは得てして頑固なものです。もちろん僕を含めてですがw
旧雪国の常連さんたちは尊敬できる方たちでしたが、人格者であっても色々な出来事で心が荒れることがありますからね。
前のサイトでは色々あって無残に閉鎖してしまいましたが、ある程度心の整理が付いたのでこうして書かせていただいています。
当時のことを思い出しながら書いている間は色々と鬱になりますが、書き終わると逆にスッキリしますよ。
日記に嫌なことを書いてスッキリするのと同じですね。
ですので僕はもう平気です。
お心遣いありがとうございます。