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シンギュラリティは雲をつかむ1・2

シンギュラリティは雲をつかむ1・2

評価ストーリー:[star rating=”5″] キャラクター:[star rating=”5″] 画力:[star rating=”4″] 世界観:[star rating=”5″] オリジナリティ:[star rating=”5″] 総合評価:[star rating=”5″]

舞台は峡谷の市。

そこに隣国が突然、攻撃を仕掛けてくるから撃退したというお話です。

オーバーテクノロジーな戦闘機にリアリティを持たせつつ、敵を撃破するというアフタヌーンらしい漫画です。

峡谷という地形を徹底的に生かしているのが良い味を出していますね。

主人公の性格もグットです。

ストーリー

天才ゆえに奇人変人な主人公。

平和な都市が突如、敵の襲撃を受ける。

王道な展開ですが、主人公の性格が絡まることで独自性を出しています。

キャラクター

主人公が良いキャラしています。

正義感でもなく、承認欲求のために戦うというのはなかなかに斬新です。

下手に正義のためとか言い繕うよりも、自分の欲求に忠実な主人公というのは好きですよ。

ヒロインも敵国に父を殺され、その復讐のために主人公を使うつもりでいるようです。

主人公の保護者である通称『爺さん』も自分勝手な人物らしいですし、どいつもこいつもエゴ丸出しなのが面白い。

画力

新人とのことですが、安定しています。

シンギュラリティがプロペラ戦闘機をバッサバッサと撃破するシーンはなかなかに爽快感があっていいですね♪

世界観

プロペラ戦闘機が飛ぶレトロな世界観で、舞台となるイサ峡谷市も炭鉱で栄えた場所です。2巻なので細かいことはわかりませんが、技術レベルで言うと第二次世界大戦辺りですね。

こうした作品は近未来が多いのですが、敢えて一昔前を舞台にしたというのが特徴的です。一昔前にシンギュラリティという異物が現れることで、その異物感がより強調されています。

オリジナリティ

色々とぶっ飛んでいますね。

世界観はレトロなのに主人公が乗るシンギュラリティがオーバーテクノロジー過ぎる。

現在の戦闘機よりも確実に上だろう。

しかし有利かと言えば、必ずしもそうではありません。

敵も対策として戦闘機九十機を投入してきたりと抜け目がありません。

ガンダム00で三国家群がガンダムを倒すために、MS832機を投入してきた戦闘を思い出しますね。

九十機が最終的には援軍で敗れる展開も一緒ですが、炭鉱で栄えた市という地形を生かしたトロッコ爆弾は戦闘としてかなり面白いです。

総合評価

シンギュラリティという異物を軸にした世界観が巧みですね。

シンギュラリティーという単語が技術的特異点という意味で、一言でいえば人の想像が及ばない社会的な変革が起きると言われています。シンギュラリティーによって人類はポスト・ヒューマンに変革されるとも。

そして主人公は天才という設定です。戦闘機は操縦者という脳がいなければ動くことが出来ませんから、主人公がシンギュラリティーに乗ったことでシンギュラリティーは命を得たといえるでしょう。

シンギュラリティーは危険だと提唱する人もいるようで、一体どうなるか。人の過ぎた技術は世界に禍をもたらすのはSFのは定番です。主人公ははたして破滅をもたらす悪魔なのか。それとも人類を変革するイノヴェイターなのか。

その名を与えられたシンギュラリティーを操る主人公がなにを成すのか、楽しみで仕方ありませんね♪

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